「Baccarat meets IMAEMON」は、日本の美術工芸の頂点としてヨーロッパにも多大な影響を与えた有田の名窯、今右衛門との出会いにより制作されたコレクションです。十四代今右衛門によるデザイン監修と共同制作により、2017年に続きここに新たなコレクションが完成いたしました。
バカラは、フランス国内にとどまらず、諸外国のさまざまな美意識を取り入れてきましたが、なかでも日本とは特別な関係を築いてきました。1867 年のパリ万博をきっかけとしてヨーロッパに大きなムーヴメントを起こしたジャポニスムに触発されたバカラは、日本の浮世絵や陶磁器などを手本に、そのスタイルを取り入れた作品を数多く生み出しました。
火を操り作られること、高い技術と多彩な表現、伝統の継承と時代に向き合う革新性、人々の慶びを彩る存在であること、そして赤というシンボルカラー。洋の東西を超え通じるところの多いバカラと今右衛門。クリスタルと磁器という異なる素材ながら、一つの作品になることで互いの美しさを高め合い、ここに幸福な出会いを果たしました。
【十四代 今泉今右衛門】
1962 年佐賀県有田町に生まれる。1985 年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科を卒業、福岡・京都での修行を経、1990 年より十三代の許、家業に従事し、色鍋島の技術の研鑽に努める。1996 年より日本伝統工芸展に出品。工芸会会長賞・東京都知事賞などを受賞。2002 年に十四代今右衛門を襲名。「色鍋島今右衛門技術保存会」の会長となる。2009 年紫綬褒賞を受章。2014 年重要無形文化財「色絵磁器」保持者(人間国宝)の認定を受ける。色鍋島・今右衛門の伝統を継承しつつ、現代という時代の中での新しい色鍋島の表現を追求している。